とある土木女子の日記

ブラック企業や日常のアレコレをつづる日記です。好きなものは旅と猫。

下町ロケット🚀

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表紙が地味だが、かなり面白い

池井戸 潤氏は半沢直樹の「3倍返しだ!!」のイメージしかなかったので、ロケットもそういやドラマになってたなと目が行った。

内容を要約すると、下請け町工場の大逆襲!!武器はバルブシステムの特許ひとつ!

 

原作の小説がなぜかスーパー銭湯に置いてあって岩盤浴そっちのけで、面白くて一気に読んだ、雨だったしドラマ版も家事しながら消化。

所々権威主義なのは否めないけど、ものづくりに関わる人はこの作品好きだと思う。

原作のがお勧め(`・ω・´)キリッ。ドラマは人工心臓弁編も追加されてたけど、何かと演出がくどい。。。

 

手のひら返ししまくりな銀行と、ダメダメ弁護士に、一流企業のオラオラパワハラ、下請けあるあるなど見所一杯。

ネズミっぽい敵弁護士と、ライバル企業のまたネズミっぽいやつ。足の引っ張り合いにクーデターにあるわーあるわーって見入ってしまう。

人間の裏切りと希望と、いろいろ詰まってるのでこういうドラマが出来たらまたテレビをみたいものだ。

 

見所は技術屋どもの意地とプライド

銀行も出てくるし法廷ものとしても面白いけど、幾重の失敗の上に培ってきた技術は誰にも奪えん夢やでってのがメインね。

個人的には、帝国重工がバルブの特許使わせてーなと上からオラオラしてくるのに、佃が「うちらで部品供給したるわ!!」ってところ

 

※バルブがないとエンジンが完成しないけど、特許は佃のもの。最初は特許売れやと倒産しそうな佃の足元を見てオラオラやってくる。

帝国重工側も何いっとんねんって態度だったけど、視聴してる私もええーwって楽しくなった。

 

特許で稼ぎたいより、あくまで自分で作った製品をロケットに組み込みたいってプライドやね。

リスクを取らないと、進展はないぞってところは何の業種でもありうる話だし。

実話ではないだろうけど、例えるなら三菱重工(社員10万人)vs鈴木製作所社員(200人)みたいな感じか。

 

元請けと下請けのネチネチパワハラもばっちり収録

ネタバレすると、全部自分の会社で作りたい帝国重工は基本的に特許だけもらって自分の所で作りたい。

なので、バルブ納品させるためのテストと称して、やたら経営書類を作らせては駄目だし。生産現場にきては、粗を探してまたまた侮蔑の嵐。

「赤字で経営不振の無能集団がバルブを安定して作れるんですか?」

「零細企業のくせに研究開発なんて馬鹿じゃない」

「お前らは所詮中小企業のくせに」「零細企業だから適当な財務諸表作ってんだろ」

って粗さがしのオンパレード。

しまいの果てには「もともとお前らが作った部品なんて採用する気なんてないんだよ、バーカ、バーカ!」と暴言を吐き、ネズミは自分の首を絞める。

 

帝国重工の見下しの列挙で、最初は否定的だった若手たち。皆で一気に辞めてもいいんだぜって感じだった。

「わざわざ苦労してバルブを製品納品しなくても、特許の使用料だけで年に5億円入るんだし」

「万が一不良品の場合、訴えられるリスクもあるのに自分らでつくるとか馬鹿じゃね」

とか何とか言ってたのが、「町工場の意地見せちゃるけんね!!!!」ってなる。

 

まぁ帝国重工も結局、このバルブがなければ自社ロケットが完成しないし、向こうの社員の中にも佃の熱意にほだされて結果オーライになるんだけど。

 

これは初心に帰るわ。※但、ロケット編のみ。

ものづくりに関わる人間が読めば、一気に読めてしまう名作。建設業の次に長い業界が機器メーカーだったので特許話も懐かしかったな。 

ロケットに憧れはなかったけど、製品を作り上げて規格値・品質・熟練工とか出てくるのは共通だもんな。打ち上げ場面見てるとカッコいいわー。

 

ドラマ版で追加されたガウディ(人工心臓弁)編は、家族の絆とか師匠と弟子の裏切りとかがメインになってたのでなんかな。。。

ものづくりの熱意からはずれてるので、ロケットのほうがいいわな。

3日間徹夜で検証作業とか、いま流行のブラック企業要素もあるけどこういう本人達が納得してるんなら別やね。

 

作品通して寝るまも惜しんで開発に没頭するのがデフォルトなのは、ブラック感万歳なのだけど納得できる夢みたいのがあるといいものね。

お金が稼げるのは当たり前として、納得できる仕事というのがいいもんだな。